保護命令の法改正について

保護命令制度の変更点について

保護命令について、制度の拡充や違反の厳罰化が令和6年から始まる予定なので、これについて説明します。

保護命令が規定されている配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護等に関する法律の一部を改正する法律(令和5年法律第30号)が令和6年4月1日から施行されます。時期についてご注意ください。
いわゆるDV防止法が改正されることになりました。
暴力がある離婚相談時には検討することが多い制度です。

1 保護命令とは
保護命令制度とは、地方裁判所が、被害者の申立てにより、相手配偶者に対し、被害者の身辺へのつきまといや住居等の付近のはいかい等の一定の行為を禁止する命令を発令する制度です。
暴力があるケースでは、本申立てを行うことを検討します。
なお、ここで言う、「配偶者」には、(1)法律婚の相手方、(2)事実婚の相手方、(3)生活の本拠を共にする交際相手が該当します。
離婚等の前に暴力等を受け、離婚等の後も引き続き暴力等を受ける場合、元(1)~(3)も含みます。

2 改正の背景
最近のDVに関する相談件数等は増加傾向にある中、相談内容の約6割を占める精神的DVにより心身に重大な被害が生じた例も報告されています。
一方で、被害者の申立てに基づき裁判所が加害者に接近等を禁止する命令を出す保護命令の認容件数は、一貫して減少しています。
実態に合わせた保護対象者の拡大の必要性や生活再建支援等の必要性が指摘されていました。

3 改正点
(1)接近禁止命令等について、発令の対象を拡大
現在の接近禁止命令等では、申立てをすることができる者として、身体に対する暴力を受けた者、「生命または身体」に対する加害の告知による脅迫を受けた被害者とされています。さらに、発令要件については、「更なる身体に対する暴力により、身体に重大な危害を受けるおそれが大きいとき」とされています。
しかし、これに限定した今回の改正によって、発令等の対象が、自由・名誉・財産への脅迫を受けた被害者による申立てを可能とし、精神への重大な危害のおそれがある場合にも拡大されました。

(2)接近禁止命令等の期間の伸長
現行の接近禁止命令等では6か月間ですが、今回の改正によって、これが1年間に伸長されました。
そもそも、6か月の期間であることもあまり知られていなかったように思います。
危険が続いている事案は再度申し立てる必要がありました。

(3)電話等禁止命令の対象行為の拡大
現行では、被害者に対する無言電話や緊急時以外の連続する電話・FAX・メール送信等の禁止命令を発令することができます。
今回の改正によって、電話等禁止命令の対象行為に、緊急時以外の連続した文書の送付・SNS等の送信、緊急時以外の深夜早朝(午後10時~午前6時)のSNS等の送信、性的羞恥心を害する電磁的記録の送信、位置情報の無承諾取得が追加されました。
居場所を知られるというのは被害者にとってとても怖いことなので、位置情報の無承諾取得が対象行為に含まれるということは、実態に合うと考えます。

(4)子への電話等禁止命令の創設
次の要件を満たす場合に、被害者と同居する未成年の子への電話等禁止命令を発令できるようになりました。
発令をする要件としては、被害者への接近禁止命令の要件のほか、被害者が当該子に関して配偶者と面会することを余儀なくされることを防止するため必要があること、15歳以上の子についてはその同意があること等が挙げられます。
禁止等になる対象行為は、監視の告知等、著しく粗野乱暴な言動、無言電話、緊急時以外の連続した電話・FAX・メール・SNS等送信、緊急時以外の深夜早朝の電話・FAX、汚物等の送付等、名誉を害する告知等、性的羞恥心を害する事項の告知等、位置情報の無承諾取得等です。

(5)退去等命令の期間について、住居の所有者又は賃借人が被害者のみである場合には、申立てにより6か月(原則は2か月)とする特例が新しく設けられました。

(6)保護命令違反に関する罰則の加重
現行では、保護命令に違反した者は、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処されることとされています。
今回の改正によって、保護命令に違反した者は、2年以下の拘禁刑又は200万円以下の罰金に処されることになりました。

法の施行は令和6年4月1日なので、時期についてご注意ください。

配偶者からの暴力がある離婚の場合、安全を確保しながら進めなくてはなりませんので、お近くの弁護士にまずは相談することをおすすめします。

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